歴史的遺産が多く、世界中の旅行者を魅了するエジプト。
旅行を計画するときに重要なことのひとつが「現地のお金事情」を知っておくことです。
- エジプトの物価はどんな感じ?
- 両替はどこでする?
- クレジットカードは使える?
- チップ文化の相場は?
- 現金はどれくらい必要?
こうした疑問は、旅行前に知っておくと旅の快適さが大きく変わってきます。
実際にエジプトを旅行した経験をもとに、旅行者が必ず知っておきたい「エジプトのお金の基礎知識」をまとめました。
エジプトのお金事情
公式通貨
「エジプト・ポンド」
Egyptian Pound:EGP
100EGP = 約328円 = 約$2.1
2025年12月時点
紙幣は0.25ポンド(25ピアストル)から200ポンドまであります。
硬貨は0.25ポンド(25ピアストル)から1ポンドまであります。


写真左の200ポンドは従来の紙幣で紙製、右の10ポンドと20ポンドは新紙幣でプラスチック製でした。
片面は英語、片面はアラビア語、モスクやピラミッドなどが描かれています。
プラスチック製は丈夫で水にも強い。クリアな小窓がおしゃれ!
流通通貨
エジプトでは、エジプトポンド以外に「米ドル」や「ユーロ」も流通しています。
米ドルやユーロで旅行することもできますが、少し割高にチャージされます。エジプトポンドへの両替手数料や手間を考えるとそこまで変わらないかもしれません。
まれにエジプトポンドしか受け取らない人もいるので注意。1週間の旅行中にひとりだけいました。(アスワンのタクシーの運転手)
両替について
日本円からエジプトポンドへ直接両替できる場所は限られており、レートも不利になりやすいので、事前に米ドルやユーロを用意して現地でエジプトポンドへ両替するのが一般的です。
特に米ドルは世界的に安定しているので、エジプトでも安定して両替できるそうです。
両替のポイント
- 日本で日本円を米ドルに両替する
- エジプトポンドに両替せずに米ドル(またはユーロ)で旅行するのもあり
- エジプトポンドに両替するなら米ドルを残して少額ずつ
- エジプトポンドを余らせないように注意
- 小額紙幣をたくさん準備する
私たちはエジプトに1週間滞在したあと、さらに2カ国周る予定だったので、出発前にアメリカの銀行で小額紙幣を合計$500分用意しました。($1札と$5札を多めに)
エジプトでは基本的にクレジットカードを使い、チップや最低限必要な場面だけ米ドルで支払いました。滞在の最後の最後にエジプトポンドしか受け取らない人がいたので$5分だけエジプトポンドに両替しました。
最初にエジプトポンドに両替するなら、まず滞在期間に応じて1人あたり約$50分を目安に換金し、あとは余らせないよう様子を見ながら少額ずつ追加で両替するのがおすすめです。
そしてクレジットカードや米ドル(またはユーロ)を併用すると安心です。
残ったエジプトポンドは米ドルや日本円には換金できないので、余らせないように注意してください。
どの通貨を使うにしても小額紙幣がたくさん必要になるので、準備しておきましょう。
どこがおすすめ?

- 市内の両替所・銀行
- 空港の両替所・ATM
- ホテルやクルーズ船
レート重視なら、市内の両替所や銀行での両替がおすすめです。
とはいえ、到着直後に少額だけ必要な場合は、空港の両替所はレートがやや割高でも手軽で便利に使えます。
ルクソール空港のATMで一度両替しようと思いましたが、何度やってもできず。結局米ドルで交渉してタクシーに乗りました。
エジプトの物価
観光地価格は高騰しており、場所によって差が大きいのも特徴です。
アメリカやヨーロッパから訪れる旅行者にとってはまだ比較的リーズナブルです。一方で日本から訪れる旅行者は円安の影響で、日本円から米ドルに換金する時点で目減りするので割高に感じるかもしれません。
- トイレ利用 – 観光地10〜20EGP / 1回
- カフェラテ – 観光地の売店ホットラテ100〜150EGP / アイスラテ250EGP、中級ホテル80EGP、高級ホテル300EGP
- コーラ – 観光地のレストラン75EGP、高級ホテル94EGP、遺跡内の売店150EGP
- ノンアルコールビール – 観光地85〜100EGP
- ビール – 中級ホテル235EGP、高級ホテル280EGP
- グラスワイン – 中級ホテル210EGP、高級ホテル300EGP
- カクテル – 高級ホテル内のバー880EGP
- Uberでカイロ空港⇄カイロのホテル – 夜30分276EGP、夕方1時間382EGP
トイレは無料の場所もありましたが、紙が無い場所も多いです。利用料を払ったときに紙をもらうか、1回分の紙を買うのにお金が必要でした。


コーラやビールやワインはどこに行ってもそこまで差はありませんでしたが、カクテルは飛び抜けて高かったです。



観光地や遺跡内の売店で買ったものはすべて高かったですが、クレジットカードが使えました。
エジプトのお菓子?はひとつ100〜250EGP程度でしたが、ヨーロッパ系のチョコレートはひとつ400EGPしたものもありました。
逆に観光地でない場所は安かったですが、クレジットカードが使えず現金のみでした。
お水は基本ホテルに完備されていたものを持参し、さらにツアーに参加すると毎回必ず水を1本ずつもらえたのでお水を買うことはありませんでした。
カイロでの移動は治安の面から車一択です。Uber移動は安くて安心で便利でした。
エジプトでクレジットカードは使える?
使える場所
- 大型ホテル・ホテル内のレストラン/カフェ
- 高級レストラン
- 空港内ショップ
- Uber(カイロ)
- 主要な観光スポット
- 遺跡内の売店
- ショッピングモール
- 大型土産店
エジプトではVisaが圧倒的に強いです。
AmexやJCBはほとんどの場所で使えないので、メインカードにVisaまたはMastercardを準備しておきましょう。
使えない場所
- ローカルレストラン
- 遺跡周辺の売店
- 現地のタクシー
- 市場(スーク)
- 公衆トイレ
- チップ
現金の需要が多いのはこのあたりです。特にチップを渡す場面が多いので、小額紙幣がたくさん必要になります。
チップ文化について
エジプトはアメリカと同様に強いチップ文化が根付いています。
日本には馴染みのない文化ですが、アメリカと同様にチップで生計を立てている人が多いそうです。
エジプトでは“お気持ち”っていくらが妥当なんでしょうか?
事前に相場を知っておかないと戸惑う場面もあるはずなので、行く前に予習しておくと安心です。
何かをしてもらったら必ずチップが必要になってきます。あらかじめ準備しておきましょう。
チップの相場
| シーン | 相場 | 実際に渡した金額(ふたり分) |
|---|---|---|
| ホテルの荷物運び | 20〜50EGP / 1回 | $2 / 1回(約100EGP) |
| ホテルの部屋清掃 | 20〜50EGP / 1日 | 利用していない |
| コンシェルジュの特別な対応 | 20〜200EGP(内容によって) | 利用していない |
| Uberなどのライドシェア | 10〜15% | 10〜15% |
| レストラン | 10〜15% | ホテルや観光地のレストランはサービス料が10〜20%含まれていた。親切なサーバーには個人的に$1〜5(約50〜230EGP) |
| ツアーガイド | 1日ツアー$20〜25(1グループの値段) | 時間や観光スポット数によって$7、20、20(約330〜950EGP) |
| ツアードライバー | ガイドの半額が目安 | 距離や時間によって$3、5、10、25(約140〜1,185EGP) |
| ボートのキャプテン | 100〜300EGP(時間や内容によって) | $5 / ひとり(約230EGP) |
| ラクダ体験 | 100〜300EGP(時間や内容によって) | $5(約230EGP) |
ホテルに到着すると、半ば強引に荷物を持っていかれます。笑 部屋まで運んでもらったらチップ。
高級ホテルでは、お部屋に案内してくれた人にもチップ。
コンシェルジュが特別な対応(お部屋のアップグレードや早めのチェックイン、遅めのチェックアウトなど)をしてくれたらそれにもチップが必要です。
ガイドやドライバーへのチップは、内容や時間や距離にもよって変わってくるでしょう。
ひとりだけもっとちょうだいとチップを請求してきた人がいましたが、良くしてもらったので$5追加したりしました。
トイレ利用にお金を支払ったことが数回ありますが、チップをあげる場面はありませんでした。
満足度に応じて金額を調整しましょう。
注意すべきポイント
「写真撮ってあげる」「ラクダ乗らない?」と声をかけられ、「Free(無料)」と言われても最後に過剰にチップを要求されることがあるようです。
一度「No, thank you」と丁重にお断りしてあとは無視するか、最初から無視しましょう。諦めて離れていきます。
サービスを受ける際は、最初にしっかり値段交渉をしてチップ込みなのか別なのか確認した方がいいです。
私たちは幸い何もトラブルなく過ごせましたが、念のため「そういう文化がある」と理解しておいた方が安心です。
必要な金額の目安
1週間で実際に使った現金はいくら?
結論:合計 $230(ふたり分)
- アライバルビザ:$25(ひとり分)
- トイレ利用:$2
- タクシー:$14
- Philae templeへのボート代:$20
- チップ:$124
- 現地で追加したツアー:$30
- 食べ物・飲み物・その他:$15
事前にオンラインでe-Visaを申請しましたが、私だけ却下されたのでアライバルビザを取得しました。
主な支出はチップです。
ツアー料金はオンラインで事前に決済済み。遺跡への入場料はどこもクレジットカードが使えました。Philae templeへのボート代$20だけは現金でした。
トイレ代は10〜20EGP程度で$1だと多すぎるので、ツアー中にガイドさんに少額借りてチップに上乗せして返したりもしました。
レストランやお土産はクレジットカードが使えるところを利用しました。基本的に市場のような小規模のお店で食べたり買い物はしませんでした。
エジプトポンドで支払うよりは少し割高にチャージされていますが、両替の手数料・手間を考えると米ドルで旅行できて助かりました。
必要な現金の目安
1週間のエジプト旅行で必要な現金の目安
日本円で2〜3万円分
(米ドルに換金して$100〜200)
旅の目的、現地でどれくらい買い物をしたいかなど、旅行スタイルによって必要な金額は変わってきます。
目安として、2万円を米ドルに両替すると約$125になります(2025年12月現在)。
市場などでしっかり買い物を楽しみたい方は、少し多めに3万円ほど米ドルに換金しておくと安心かもしれません。
もしもツアー代や遺跡の入場料などを現金で払う場合はもっと必要になるので、あらかじめ計算して準備していきましょう。
エジプト旅行のお金事情まとめ
- チップ文化は必須
- 小額紙幣を常に用意しておく
- 1週間なら現金は約2〜3万円分(米ドルに換金して$100〜200)
- エジプトポンドに両替せず米ドル(またはユーロ)で旅行するのもあり
- エジプトポンドへの両替はまず約$50分、その後は余らないよう様子を見つつ
- クレジットカードは都市部や観光地で広く使えるが、Amexは弱い
- 市場やトイレは現金オンリーが多い
エジプトはチップ文化や現金の扱いが独特ですが、事前に知っておくだけでストレスなく旅行を楽しめます。
この記事が、あなたのエジプト旅行をより安全で快適に楽しむための参考になれば幸いです。
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