ピラミッド、王家の谷、ナイル川クルーズ――
何千年もの歴史を体感できるエジプトは、「いつか行ってみたい!」と憧れている人も多いはず。
エジプトは、日本とは文化・治安・お金の仕組みまで大きく異なるため、事前準備をしたかどうかで旅の満足度が大きく変わる国です。
この記事では、実際にエジプト旅行に行った経験をもとにこれからエジプト旅行に行く・行きたい方に向けて事前に知っておきたい情報を総まとめしました。
エジプト旅行前に知っておきたい情報
- 所要時間
- 気候とベストシーズン
- 服装
- 持ち物
- eSIMは事前準備 – 空港Wi-Fiは繋がらない
- エジプトの治安
- 言語
- お金事情
- 観光ビザ
- ワクチン接種
- 持ち込み禁止リスト
- 観光地のチケット・ツアー予約
- 移動手段
- 食事の安全対策
所要時間
- 日本 – 成田空港から直行便あり。所要時間約14時間。
- アメリカ – ロサンゼルスからは直行便がない。所要時間はヨーロッパや中東経由で20時間以上。ニューヨークからは直行便あり。所要時間約10時間。
日本では、成田空港からカイロ空港までの直行便があり、週2〜3便程度運行しています。所要時間は約14時間です。
ロサンゼルスからは直行便はありません。ヨーロッパや中東の都市で乗り継ぎし、エジプトに向かうことになります。
私たちは、ロサンゼルス国際空港からロンドンのヒースロー空港で乗り換えてカイロ空港に向かいました。乗り換えを含めて約1日かかりました。

気候とベストシーズン

エジプトは砂漠気候のため、気温差が大きいのが特徴です。
- 夏のような暑さがなく快適
- 日中:25〜35度、朝晩:10度台
- 遺跡観光がしやすい
- 繁忙期
- 40〜45度になる日も
- 観光は早朝か夕方のみ
- 体力が消耗しやすい
- 閑散期
特にルクソールやアスワンはカイロより暑いです。6〜8月に屋外観光するのは厳しいでしょう。
実際11月下旬でも毎日30℃を超えたので、炎天下の中の観光はとても暑かったです。
服装

- 肩・胸元が隠れる服
- 半袖 or 長袖 or 7分袖
- ロングスカート or ゆったりパンツ
- 日よけのシャツやスカーフ
- 日よけの帽子・サングラス
- 歩きやすいスニーカーかサンダル
- 半袖Tシャツ OK
- 宗教施設は長ズボンが安心
- 日よけの帽子・サングラス
- 歩きやすいスニーカーかサンダル
イスラム文化が根付くエジプトでは、露出の多い服は避けた方がいいようです。
とはいえ観光地なので、タンクトップやショートパンツの観光客もたくさんいました。
そのような服装で入場制限されたりはしないようです。
冬でも日中は日差しが強いので、日よけ用のシャツや帽子、サングラスは必ず持っていくのがおすすめです。砂漠気候のため夜は一気に冷え込むので、スウェットなどの羽織りものも必須になります。
持ち物
- 変圧器&変換プラグ
- モバイルバッテリー
- 常備薬
- ペン
- 日焼け止め
- 流せるティッシュ
- ウェットティッシュ
持ち物は基本の旅行セットに加え、トイレには紙が無いところも多かったので流せるティッシュやいつでも手を拭けるようにウェットティッシュがあると安心です。
eSIMは事前準備 – 空港Wi-Fiは繋がらない
ほとんどの主要な空港には無料Wi-Fiがあると思いますが、カイロ空港は全く繋がらなくて焦りました。入国審査前のエリアで空港ラウンジの無料Wi-Fiがパスワードなしで使えたので、助かりました。
ガイドさんも言っていましたが、エジプトのインターネットは全体的に遅く、不安定なことが多いようです。
旅行先では何かを調べたり、配車アプリを利用したり、なんらかのインターネット回線が必須です。エジプト到着後すぐにインターネットを利用できるように事前に準備することをおすすめします。
eSIMは、物理SIM不要で入れ替えの手間がなく、スマホだけで即開通できるのでおすすめです。さらに紛失リスクがなく、複数回線を簡単に切り替えられるので旅行や出張に便利です。
私たちは、夫がアメリカでVisibleという通信会社を利用していて、Global Pass(海外ローミングのデイパス)というサービスがあるのでそれを利用しました。
Visible+というプランには、毎月1日分のGlobal Passが含まれていて最大12日間分貯めて使いたい時に使うことができます。対応国は140カ国以上で通話・SMS無制限+高速データ2GB/日 – 問題なく利用できました。
エジプトの治安
ギザのピラミッド、ルクソール神殿、ナイル周辺などは観光収入が国の柱のため、警備体制が整っており比較的安全に観光できます。
遺跡の入り口やホテルやショッピングモールにも必ずと言っていいほど、セキュリティチェックがありました。
とはいえ観光客は狙われやすいので、常に警戒は必要です。
- スリ
- ぼったくり
- 客引きのしつこい売り込み
- 過度なチップ要求
特に「写真を撮ってあげるよ」「ラクダに乗らない?」といった声がけには注意が必要です。最初は“無料”と言いながら、後からチップを強く要求されるのはよくあるパターンです。
私たちは幸い、特に嫌な思いをすることはありませんでした。出会ったエジプト人は皆とても親切で、楽しい旅になりました。
ただし、稀に悪質な人もいるため、こうしたケースがあることはあらかじめ知っておくと安心です。
言語
公用語は、アラビア語
観光地なので、どこに行っても英語が通じました。
ホテルの方やガイドさんはもちろん英語がペラペラでしたが、
ツアーの運転手さんたちも独学で英語を学んだそうで一生懸命英語でいろいろと教えてくれました。
お金事情
通貨
エジプト・ポンド
Egyptian Pound:EGP
E£ 100 = 約328円、約$2.1(2025年12月現在)
観光地・レストラン・ホテルでは Visa / MasterCard がほぼ問題なく利用可ですが、現地での支払いは現金がまだまだ主流です。
米ドルやユーロも流通しているので、少し割高にチャージされますがほぼどこでも普通に取引可能でした。
両替
- 日本で日本円を米ドルに両替する
- エジプトポンドに両替せずに米ドル(またはユーロ)で旅行するのもあり
- エジプトポンドに両替するなら米ドルを残して少額ずつ
- エジプトポンドを余らせないように注意
- 小額紙幣をたくさん準備する
日本円からエジプトポンドへ直接両替できる場所は限られており、レートも不利になりやすいので、事前に米ドルやユーロを用意して現地でエジプトポンドへ両替するのが一般的です。
チップ文化
エジプトはアメリカと同様に強いチップ文化が根付いています。
日本には馴染みのない文化ですが、アメリカと同様にチップで生計を立てている人が多いそうです。
事前に相場を知っておかないと戸惑う場面もあると思うので、行く前に予習しておくと安心です。
▼エジプトのお金事情について詳しくは下記の記事を参考にしてください。

観光ビザ

- パスポート残存期間6ヶ月以上
- パスポートの未使用査証欄見開き2ページ以上
- 観光ビザ
- 入国カード(機内でもらうまたは到着ロビー)
エジプトは、日本国籍、アメリカ国籍いずれも「観光ビザ」が必要な国です。
- シングルエントリー$25、マルチエントリー$60(エジプトに何度か入国する場合)
- 滞在可能な期間は最大30日間
エジプトに観光目的で入国する場合、主なビザ取得方法は以下の3つです。
- e-Visa(オンライン事前申請)
- アライバルビザ(到着後空港で取得)
- 大使館・領事館での事前申請
これから取得する方は、「アライバルビザ」が簡単で確実なのでおすすめです!
詳しくは下記の記事を参考にしてください。

ワクチン接種
数日〜1週間の滞在の場合、ワクチンを打たずに渡航する人が多いようです。ただ、少しでも不安を減らしたいという理由で、事前に接種してから行く人もいるようです。
長期滞在するような赴任者に推奨されているワクチンは以下の通りです。(引用:外務省)
| 成人 | |
|---|---|
| ぜひ接種して行くべきワクチン | A型肝炎、B型肝炎、破傷風、麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎 |
| できれば接種して行くべきワクチン | 腸チフス、狂犬病 |
| 考慮すべきワクチン | 髄膜炎菌 |
しかし日数よりも旅行スタイル、旅の目的によっては接種を決めた方がいいようです。
そして接種による感染症予防の効果と副反応のリスクもあることを理解した上で、各自判断しなければいけません。
ワクチンによっては数回の接種が必要なので数ヶ月から1年かかるプロセスです。
私たちは1週間の滞在だったので、食べ物に気をつけたり動物に近づかないよう徹底することにして、ワクチン接種は受けませんでした。
持ち込み禁止リスト
- 危険物
- ドローン
危険物はもちろんですが、気を付けたいのが「ドローン」の持ち込みです。ドローンの持ち込みは原則禁止です。
許可なしに持ち込むと没収・拘束される可能性が高く、トラブルを避けるために持ち込まないことが強く推奨されています。
持ち込みは飛行予定の有無に関わらず、許可が必要のようです。
一眼レフカメラやDJIマイクは持ち込めますが、観光地によってはセキュリティチェックで保管されました。
遺跡や観光地に入場する時は、カメラ・マイク類はすべてバッグにしまっておいた方がいいです。ツアーガイドさんにもしまうように言われました。
入場後はカメラやマイクを使用していても注意されることはありませんでした。
観光地のチケット・ツアー予約
- ピラミッド(ギザ)
- 大エジプト博物館(GEM)
- ルクソール神殿
- 王家の谷
- カルナック神殿
- ナイル川クルーズ
遺跡などの公式チケットは現地購入でも問題ありませんが、ついにグランドオープンした大エジプト博物館(GEM)はオンライン事前予約制です。当面の間、窓口で当日券の販売はありません。
だいたいどこの国に行っても個人で観光していますが、エジプトは勝手がわからず不安だったの全ての観光地をツアーで周りました。やはり現地の人がいると安心です。
Viatorやklookやkkdayなどで半日・1日ツアーを探し予約しました。

移動手段


- カイロはUber – クレジットカード決済、チップは降車後アプリ上で
- ルクソールとアスワンはinDrive – 希望価格を提示できる、現金が必要(米ドルで交渉可能)
現地のタクシーは料金トラブルのリスクが高いため配車アプリがおすすめです。
どちらのアプリも登録にはSMS認証が必要なので事前にダウンロードして登録を済ませておきましょう。
カイロでは「Uber」が利用でき、クレジットカード決済でアプリ上で完結できるのでストレスフリーでした。
ルクソールとアスワンでは「Careem」が使えるとの情報でしたが、なかなか配車確定せず「inDrive」の方が便利でした。支払いは現金なので注意してください。
米ドルで交渉可能ですが、まれにエジプトポンドしか受け取らない人がいるようです。アスワンで最後の最後にその人にあたり、急遽空港で$5だけ換金しました。
\2回の移動が50%オフ!/
カイロ空港⇄市内

ターミナル2から出てすぐにUberを呼びました。
カイロ空港はターミナル2前のアライバルゲートではUberのピックアップには制限があるとの情報でしたが、アプリに表示されている通り待ち合わせ場所は「ターミナル2のsixth Booth」でした。
そのsixth Boothの場所が分からなくて焦りましたが、アプリ上のメッセージで場所をやり取りし、相手の位置情報も分かるので問題ありませんでした。
ライセンスプレートはアラビア数字で読めませんが、位置情報や車種や車の色を目印に探せばすぐに見つかりました。
| ٠ | ١ | ٢ | ٣ | ٤ | ٥ | ٦ | ٧ | ٨ | ٩ |
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
ぜろ、いち、きゅうはインド数字に似ているので読みやすいです。
到着時は午後11時半頃で渋滞もなかったので、約30分でホテルに到着。料金は、276.09EGP(約$6 – 900円)でした。そこにチップを加算しました。
帰りは午後5時頃で渋滞していたので空港まで約1時間かかりました。料金は、382.66EGP(約$8 – 1,250円)でした。そこにチップを加算しました。

食事の安全対策
- ホテルや信頼できるレストランを選ぶ
- 飲料水は必ずボトル
- 整腸剤・下痢止めを持参する
エジプトは“旅行者の腹痛率”が高いことで有名です。
- 水道水
- 氷入りの飲み物
- 屋台の生野菜
- カットフルーツ
実際歯磨きのうがいは水道水、朝食に生野菜やカットフルーツを食べていましたが問題はありませんでした。
衛生面が心配な屋台は避けるなど、ある程度綺麗なホテルやレストランを選べば問題ないでしょう。
お腹が弱い人は、使い慣れた薬を持参すると安心です。
エジプト旅行前に知っておくべき情報まとめ
エジプトは、日本とは文化も環境も大きく異なる国です。
しかし、事前準備さえしっかりしておけば初めてのエジプト旅行でも安心して楽しむことができます。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

