福島県南会津に位置する大内宿(おおうちじゅく)は、江戸時代の宿場町の面影を残す歴史的な観光地です。
大内宿は、一年を通して楽しめる観光地です。
夏や秋の景色も美しいですが、雪景色に包まれた冬の大内宿は、特に幻想的でおすすめです。
今回は冬の大内宿の見どころ・アクセス情報・注意点を含め、実際に年末に訪れた時の旅行記をお届けします。
▼犬連れでの旅行を考えている方はこちらも参考にしてください。
大内宿とは?

大内宿は南会津の街道沿いに発展した宿場町で、藁葺き屋根(わらぶきやね)の古民家が並んでいます。
1981年に「重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、江戸時代の町並みをそのまま感じられる貴重な場所です。
現在もこの景観を引き継ぐため、店舗兼住居として生活している住民がいます。
「売らない・貸さない・壊さない」の3原則を守り景観保存と伝統の継承に取り組んでいるそうです。
大内宿には歴史ある民宿やお土産屋さん、食堂やカフェなど40軒もの店舗があります。
冬になると積雪で真っ白に覆われ、歴史的な町並みと雪景色が調和し、まるでタイムスリップしたかのような体験ができます。
冬の大内宿の見どころ
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- 茅葺き屋根と雪景色
- 高倉神社の鳥居
- 大内宿街並み展示館
- 正法寺と子安観音堂
- 見晴台からの眺め
- 名物「ねぎそば」
- 大内宿雪まつり
2024年の年末に行った時の旅行記と合わせてご紹介します。
①茅葺き屋根と雪景色

大内宿は一般車両の立ち入り禁止です。駐車場から徒歩で大内宿に入っていきます。

一面に広がる雪と、並ぶ茅葺き屋根の家々が印象的でした。
メインの通りは踏み固められているので歩きやすかったです。

屋根の上に積もった分厚い雪。落雪することがあるので、軒先には近づかないように注意してください。

巨大な氷柱(つらら)が見られるのも冬ならではです。

クリスマスツリーのような木もありました。和風のオーナメントが可愛かったです。
②高倉神社の鳥居

街道沿いには高倉神社の大きな鳥居があります。
神社はここから250m先にあるようで、ゆっくり歩いて約15分くらいだそうです。
高倉神社は、宿場町の繁栄や旅人の安全を見守る存在だったそうです。
③大内宿町並み展示館:問屋本陣

大内宿本陣跡に復元された宿場町時代の「本陣」です。
当時の宿場町の街並みや風習を伝える写真や生活用具が展示されています。
私たちが行った日は休館していました。
大内宿町並み展示館:問屋本陣
住所:〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内山本8
入館料:個人 – 大人250円、小・中学生150円
営業時間:9am – 4:30pm
休館日:12月29日〜翌年1月3日
④正法寺と子安観音堂

「弁財天」にまっすぐ続く石段は、積雪のため封鎖されていました。

左に緩やかな石段があります。冬は雪が多いので注意してください。
その階段の中腹にあるのが大内宿の歴史あるお寺「正法寺(しょうぼうじ)」です。

見晴台に続く石段はもはや滑り台のようになっていてツルツルでした。

さらに登って行くと、安産・子育てにご利益があるとされる「正法寺子安観音堂(しょうぼうじこやすかんのんどう)」があります。
この先に見晴台があります。
⑤見晴台からの眺め

小高い丘の上から大内宿の全景を一望できる見晴台です。
時折木の枝から雪が落ちてくるので注意してください

特に雪に覆われた町並みを上から眺めると、ポストカードのように美しい光景が広がります。
見晴台の先に「弁財天」があります。
⑥名物「ねぎそば」
大内宿といえば「ねぎそば」が有名です。
お箸の代わりに長ねぎを一本そのまま使い、薬味としてかじりながら食べるユニークな体験ができます。
「高遠そば(たかとおそば)」という、鰹節をかけたそばを大根おろしが入った出し汁につけて食べるそばが由来となっているそうです。
縁起を担いで長ねぎを切らずに使ったのが大内宿名物「ねぎそば」です。
冬は温かいそばが体を芯から温めてくれることでしょう。
大内宿にはお蕎麦屋さんがたくさんあります。
※冬季は休業しているお店が多いです。事前に大内宿公式サイトで確認してください。
大内宿 こめや
住所:〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大内山本16−3
営業時間:9am – 4pm
⑦大内宿雪まつり
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毎年2月の第二土日に開催される「大内宿雪まつり」。
2025年(令和7年)は、2月8日と9日に開催されました。
日中は「ぐし餅拾い」や「そば早食い競争」が開催されます。
「ぐし餅(棟餅)」とは、屋根の葺き替えの際に集まった人々へ祝いとしてまく餅のことです。
夜には「雪灯籠」や「本陣ライトアップ」や「花火打ち上げ」などのイベントがあります。
アクセス
- 車で行く
- 電車+バスで行く
- 観光バスツアー
車で行く

会津若松市内からは約1時間。東京や仙台からは約3時間です。
冬季は道路が凍結するためスタッドレスタイヤが必須です。
福島県では、冬季にスタッドレス未装着の場合交通違反になり罰金もあります。

大内宿の目の前に駐車場があります。
駐車料金(現金)
- 軽・普通車 500円
- マイクロバス 1500円
- 中型・大型バス 3000円
駐車場にはトイレや案内所も併設されています。
駐車料金の一部は景観保存、補修、整備に活用されているそうです。
電車+バスで行く

会津鉄道「湯野上温泉駅」からバスだと約20分。
大内宿と湯野上温泉駅を往復運行するバス「猿游号(さるゆうごう)」に乗って大内宿まで行くことができます。
鉄道+バスのお得で便利な「大内宿共通割引きっぷ」もあります。
前日までの予約のお客様が優先のようです。詳しくはこちら。
バスの本数は限られているため、事前に時刻表を確認しておきましょう。
一番早い「湯野上温泉駅」発のバスは、9時45分。最終の「大内宿」発のバスは、15時12分です。
観光バスツアーで行く
遠方から行く場合、乗り換えも多く交通費がかさむので観光バスツアーへの参加を検討するのもありです。
日帰りツアーや周辺の観光地もまとめて周れるツアーを探してみてください。
宿泊と周辺観光
冬の大内宿を満喫するなら、大内宿や周辺の温泉宿に泊まるのもおすすめです。
大内宿の中にある「蔵の民宿 本家扇屋」は口コミも良く人気の宿です。
「湯野上温泉」や「会津若松の東山温泉」はアクセスも良く、観光と温泉の両方を楽しめます。
また、会津エリアは「鶴ヶ城」や「塔のへつり」など見どころが多く、旅行プランに組み合わせると充実度が高まります。
冬の注意点
- 冬季はスタッドレスタイヤ必須
- 路面が滑りやすいため、歩きやすい防寒靴・滑り止めがおすすめ
- 気温は氷点下になることも多いため、手袋や帽子などの防寒対策は必須
- 休業の店や営業時間が短い店もあるため注意が必要
- 渋滞や急な天候の変化に備えて、時間に余裕を持った計画を
福島県では、冬季にスタッドレス未装着の場合交通違反になり罰金もあります。
見晴台に登る石段はもはや滑り台のようになっていてツルツルでした。
雪用の滑らない靴や簡単に装着できる滑り止めがおすすめです。
お目当てのお店や食堂がある場合、公式サイトから事前に営業日を確認しておきましょう。

大内宿 冬旅行まとめ
大内宿は一年を通して楽しめる観光スポットです。
冬の大内宿は、江戸時代の宿場町と調和した幻想的な雪景色が印象的でした。
雪に覆われた宿場町を歩いていると、時代を遡ったような気分になり非日常を味わえます。
冬は観光客も比較的少ないため、落ち着いて散策したい人にとっては絶好の季節だと感じました。
雪国ならではの美しい風景を楽しみたい方に、ぜひ訪れてほしいスポットです。
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