京都を代表する観光スポット「清水寺」。期間限定で開催される「夜間特別拝観」をご存知ですか?
幻想的なライトアップに包まれた夜の清水寺を楽しむことができるイベントです。ライトに照らされた清水の舞台や、闇夜に映える三重塔は息をのむほどの美しさ。
この記事では、2024年11月末に実際に訪れた体験をもとに、夜間特別拝観の開催時期、アクセス、見どころ、そして楽しみ方のコツを詳しくご紹介します。
清水寺の夜間特別拝観とは?
基本情報
清水寺(きよみずでら)は、京都を代表するお寺で世界遺産にも登録されています。
奈良時代に建てられた歴史あるお寺で、観音様をまつっています。
一番の見どころは、崖の上にせり出した木造の大舞台「清水の舞台(きよみずのぶたい)」。釘を使わずに組み立てられた建物で、ここから眺める京都の街や四季折々の景色は圧巻です。
境内には「音羽の滝(おとわのたき)」という滝があり、この水を飲むと「長生き」「学業成就」「恋愛成就」のご利益があるといわれています。
さらに有名なのが、「清水の舞台から飛び降りる」ということわざ。
これは江戸時代に、願いを叶えるために実際に舞台から飛び降りた人がいたことに由来しています。そこから転じて、「思い切って行動する」「決断する」 という意味で今も使われています。
清水寺
住所:〒605-0862 京都府京都市東山区清水1丁目294
通常の開門時間: 6時 – 18時(夏は18時半まで)
夜間特別拝観
清水寺の夜間特別拝観は、春・夏・秋の年3回開催されています。
- 春:3月中旬〜4月上旬(桜の開花時期)
- 夏:8月中旬(お盆の頃)
- 秋:11月中旬〜12月上旬(紅葉シーズン)
上記の期間は、21時半まで開門時間が延長されます。(最終受付21時)
季節ごとに異なる風景を楽しめるのが特徴で、春は桜、秋は紅葉、夏は青葉がライトアップに映えます。
- 春:3月25日〜4月3日
- 夏:8月14日〜16日(千日詣り/本堂内々陣特別拝観)
- 秋:11月22日〜12月7日
予約の必要はありません。
「千日詣り(せんにちまいり)」とは、その日にお参りすると千日分お参りしたのと同じご利益があるといわれる特別な日のお参りのことです。
※開催期間や時間は年度によって変更される場合があります。最新情報は清水寺公式サイトでご確認ください。
拝観料

夜間特別拝観の受付は、「仁王門」の後ろ「西門」の横にありました。
大人 | 500円 |
小中学生 | 200円 |
支払いは現金のみです。クレジットカードなどは使えません。
受付の手前までは無料なので、「仁王門」や「西門」は入場しなくても撮影可能。

拝観券をもらい、入場するとすぐ「三重塔」があります。(西門の後ろ)
注意点
- 境内は禁煙
- ペットボトル、水筒など、フタの閉まる飲み物はOK
- 上記以外の境内への飲食の持ち込み、食べ歩き、立ち食いなどでの飲食禁止
- ゴミの持ち込み禁止
- 補助犬以外のペットの入山はお断り
- ドローン、一脚、三脚、ウエディング、コスプレ撮影禁止
- 車椅子、ベビーカーでの参拝OK
ルールを守って拝観しましょう。
坂道や階段が多いので、歩きやすい靴がおすすめです。

アクセス
- 京阪電鉄「清水五条駅」から徒歩約25分
- 阪急「京都河原町駅」から徒歩約30分
- 京都駅から市バス「清水道」または「五条坂」下車、徒歩約10分
清水寺は京都市内でもアクセスしやすい立地にあります。
境内に駐車場はありません。車で行く場合、周辺の駐車場を探すことになります。駐輪場は数台停めるスペースが1箇所あり。
期間中は混雑するため、公共交通機関の利用が安心です。
清水寺の夜間特別拝観の見どころ

- 清水坂・産寧坂の夜散歩
- 三重塔と青い光の演出
- 経堂:盆栽の展示イベント(2024年11月20-24日)
- 本堂外陣:大黒天
- 本堂:清水の舞台
- 京都市街の夜景
- 音羽の滝で願掛け
- 紅葉ライトアップと庭園
清水坂・産寧坂の夜散歩

拝観の前後におすすめなのが、清水寺へ続く「清水坂」や「産寧坂(さんねんざか)」の夜の散歩。
古い町家やお土産店が灯りに照らされ、京都らしい風情を感じられます。
夜は人通りも減り、昼間とはまた違ったロマンチックな雰囲気に。
三重塔と青い光の演出

境内のシンボル「三重塔」は、夜間にはライトアップされ朱色の塔が夜空によく映え、背後には青く伸びる一筋の光が天に向かって放たれます。
これは“観音様の慈悲の光”を象徴しており、静寂の中に神秘的な空気が漂います。
経堂:盆栽の展示イベント(2024年11月20-24日)

2024年11月後半に行った時には、「経堂」にて盆栽に特化したブランド「KOKON(ココン)」が「盆栽とそのまわり」をテーマにした展示と販売のイベントが開催されていました。

最高におしゃれでした。いつか購入して家に飾りたいです。
本堂外陣:本堂外陣:大黒天

轟門をくぐって本堂に向かうと黒い大黒天が見えてきます。

清水寺の「大黒天(だいこくてん)」は、金運・縁結び・出世開運のご利益がある神様として親しまれています。本堂外陣の西側に祀られています。
参拝の列が行列だったので、横から写真だけ撮らせていただきました。
本堂:清水の舞台

夜間特別拝観のハイライトといえば、「清水の舞台」。
特に、春は桜が、秋は紅葉がライトアップされ、まるで絵巻物のような幻想的な雰囲気に包まれます。境内には約1,500本の桜、約1,000本の紅葉があるそうです。
清水の舞台を撮影するためには、「阿弥陀堂」や「奥の院」の方へ行きます。特に奥の院の前にある木で造られた展望台が大混雑しているので、注意してください。

この写真は、奥の院から音羽の滝へ下る坂道で撮りました。
紅葉のライトアップに三重塔と清水の舞台、そして青い一筋の光。圧巻でした。
京都市街の夜景

清水寺は小高い丘の上にあり、清水の舞台からは京都市街の夜景を眺めることもできます。

京都のシンボル「京都タワー」が見えます。
音羽の滝で願掛け

清水寺の名前の由来にもなっている「音羽の滝(おとわのたき)」。
夜も行列でしたが、それでも昼よりはゆったりと参拝できるのかもしれません。
約4メートルの高さから流れ落ちる三本の滝は、それぞれご利益があるといわれています。
- 向かって左 … 学業成就(勉強・仕事運)
- 真ん中 … 恋愛成就・縁結び
- 右 … 健康・長寿
全部の水を飲むのは欲張りすぎとされ、願いを込めて1本だけ選ぶのが参拝のマナーです。
鉄製の柄杓(ひしゃく)が用意されていて、紫外線滅菌装置が完備されています。
- 滝の前に並び、順番が来たら柄杓を取る
- 柄杓の柄を持って、選んだ滝の水を受ける
- その水を口に軽く含むか、願いを込めていただく
- 終わったら、柄杓は元の位置に戻す
紫外線滅菌処置されているとはいえ口を付けるのは勇気がいるので、私は手にかけて願掛けしました。
「清水寺甘露椀」という自分専用のお椀を購入することもできるようです。柄杓で水を汲み、お椀に水を入れます。
さらに音羽の滝の清水は、瓶詰めで「音羽霊水」としても販売されています。
紅葉ライトアップと庭園

秋の夜間特別拝観では、境内の紅葉した木々が照らされ、光と影が織りなす幻想的な風景が広がります。
昼間の賑わいとは対照的に、夜の清水寺は静寂と厳かさに包まれ、心が落ち着く時間を過ごせます。
清水寺の夜間特別拝観まとめ

清水寺の夜間特別拝観は、京都観光の中でも特に人気の高いイベントのひとつです。
もしも夜間特別拝観期間中に京都を訪れるなら、断然夜間がおすすめです!
ライトアップ、幻想的な夜景、静寂に包まれた境内。どれをとっても「日本の美」を感じられる特別な時間です。
夜間も観光客が多いので展望台は混み合います。夜間拝観が始まる18時頃や、終了間際の20時半頃(閉門は21時半)は比較的人が少なく、ゆっくり見学できるのでおすすめです。
春・夏・秋それぞれに違った魅力があるので、季節を変えて何度でも訪れたいスポットです。